は、ミディアムドライからミディアムコンディションでの威力を目の当たりにしたボールとして、その走りとバックエンドリアクションの強さで、ボウリング界を大きく揺るがせました!
そのシリーズ第2弾となる「フォルテラ・バルテックス」は、
第18回
2014年10月12日更新
こんにちは、プロボウラーの
逸見正晃です。10月よりいよいよスポーツイベントが活性化してきますね。
プロボウリングではシーズントライアル、男子プロボウリング新人戦、千葉オープンと短いスパンで開催されます。女子に続いてチーム・サンブリッジの活躍にも注目しましょう!
さらに、13日
〜
16日には
第69回国民体育大会(通称:国体もしくは長崎がんばらんば国体)が
長崎ラッキーボウルを舞台に開催されます。アマチュア舞台の最高峰の戦いからも目が離せません!
さて、今回取り上げましたボールはブランズウィックより10月発売のシリーズ最新作「フォルテラ・バルテックス」です。6月に全世界リリースで注目を浴びた
フォルテラ・エグザイルの第2弾で、ジャパン・オリジナルバージョンとなります。
こだわり抜いた組み合わせは日本のボウラーの目にどのように移るのでしょうか?それでは、第18回ストライクレビュー「フォルテラ・バルテックス」編をどうぞ!
55°
×
3・3
/
4
×
50°・薬指位置ピン抜き
55°
×
3・3
/
4
×
50°・薬指位置ピン抜き
博多スターレーン(ウッドレーン)
40フィートのクラウンコンディション
30.1
ml
カストディアンプラス
42°
今年の6月に全世界リリースされ、一躍注目のボールとなりました
フォルテラ・エグザイル(以下前作)。まさに現在のブランズウィックブランドの総力を挙げたと言っても過言ではない飛躍的なパワーアップを感じるボールでした。
適合コンディションをミディアム
〜
ミディアムドライに絞ったことで、ボウラーにとってレーンコンディションへの使用範囲が分かり易く、効果的に活用できる所がポイントで評価をされたと思います。
開発スタッフが来日した際、このボールへ新たに採用した
「フォルテラ・フリップコア」は、世界第2位のマーケットである日本を視野に入れて開発したもので、
上部を重く設計し楽に転がりを得られバックエンドでシャープなリアクションを生み出す為のものだと説明がありました。快適なピンアクションはここに秘密があったのでしょう。
そして、その
前作のオイルキャッチ力を強化したのが、今作「フォルテラ・バルテックス」になります。
基本的なスペックは
前作を継承していますが、変更点として
クール・エッジ™や、
今月リリースされる
プレミアム・リンガー™にも採用されているハイブリッド仕様となり、カバー名も「フォテフィ7.3・リアクティブ」と新しく生まれ変わりました。
全体にソリッドとパールが混ざっており、レーン上での安定した軌道を得られ易くなっています。オイルに対し、強すぎず、弱すぎず、ちょうど良いバランス配合でメインボールにお勧めしたいスペックに仕上がっており、見た目もゴージャスで格好良い所も良いですね。
コアは先述したように、
前作同様に
「フォルテラ・フリップコア」をそのままに使用しています。
先垂れの心配も少なく、一般に球速が乏しい日本人にぴったりだと言えます。手前からのスムーズで早い転がり感はボールに躍動感を与え、強いボールという印象を感じられ好感触です。
コアの傾きを良く体感でき、回転方向に強く曲り続けようとしてくれるのは低く強くピン弾きを実現する上で、とても重要なポイントです。
投球した感想としては、カバーストックを強化したことで、
前作より少し丸みを帯びたかなと思います。ハイブリッドとはいえ、手前ではさほど噛み過ぎずに程よい直進力を楽に得られ、
レーン中盤以降にしっかりとアーク状に曲りを見せてくれます。
前作はミディアムドライベースに対応していましたが、今作はミディアムヘビー程度が最も安心して使えるのではと思います。
使い方は
前作と良く似ており、オイル量の違いで使う目安にできる程です。あまりオイルを長く辿り過ぎず、一度ドライゾーンに触れてあげる方が入射角度も確保できて、素晴らしいピンアクションを生み出してくれます。
全体に激しいイメージは無く、扱いやすさを感じる程ですので、あまり大きく出し戻しのラインを描くよりは弧の感じを抱きながらライン取りを考えるとしっくりきたのが私の感想になります。
今回のドリルレイアウトは
「55°×
3・3/
4×
50°」でちょうど薬指穴にピン配置と、
前作と全く同じレイアウトにてドリルしてみました。
アグレッシブさは
前作の方がパール素材なだけにありましたが、スキッドし過ぎやドライゾーンでの過敏な反応が苦手だと言う方には今作のレーンキャッチ力の良さは魅力的に感じていただけるはずです。
表面仕上げは二つに違いが出しており、今作は下地#500
→
#2000
→
ロイヤルコンパウンドで、
前作が#500
→
ロイヤルコンパウンド→
ロイヤルシャインとなっていますので、
今作の方がより摩擦しやすい仕上げになっているのが分かります。箱出、ポリッシュ、#1000サンドと投げてみましたが、アーク軌道をお求めならば箱出で十分で、ポリッシュすると曲り始めるポイントが当然奥にいきカドのある動きを体感することも可能です。
適合コンディションをヘビー
〜
ミディアムと発表していますが、ヘビー対応には#1000程度のサンディング加工が必要かと思います。
女性やシニアなど、球速があまり無いボウラーはポリッシュ加工したほうが曲りを読み易く、オイルの濃淡を認識しやすいので、箱出でピンと来なかった場合には試されてみる価値はあるでしょう。
比較投球には、シリーズ2種を投げ比べてみました。走り感の強い
前作はオイルの際からドライ方向に向けて投球すると気持ちの良いバックエンドリアクションと強力なピンアクションを得られ、
私はじめ所属の
博多スターレーンでは多くのユーザーに愛用していただいています。ウッドレーンでも容易に直進させられる部分が望まれている要因です。
10本のピンを瞬時に弾き飛ばすかの飛びはこの数年感の
ブランズウィックブランド・ボールの中でも上位に入ることは間違いありません。
何より、リリースの甘さが出た投球でもラッキーなピン飛びを起こしてくれる機会がとても多いことが目につきます。特に軽量を投球している方々がその良さに敏感なようで、高評価を耳にしています。
その良さを全体的に受け継いだ今作「フォルテラ・バルテックス」は、より扱い易さが向上した上にオイルに掛かった際の飛びは更に強く、一度型にはまると大きなスコアの連発も可能に感じさせてくれるような期待を抱かせてくれる頼もしい味方になってくれます。
前作で投球しているラインとは立ち位置で5枚程度は内側からの投球ができ、多少横切ってライン取りしても戻り感に安心を覚えて攻めることが可能です。
ポケットから多少薄めのあたりまで非常にストライクゾーンが広く、10ピンタップ(右投げ)にお悩みの方は是非「フォルテラ・バルテックス」を選んでください。
最新ボールの高性能さを十分に体感できるスペックとなっており、多くの方にこのボールの良さを感じていただきたいと思います。
執筆後記
今年大ヒットした
前作の第2弾が早くも登場です!オイルキャッチ力を強化し、より幅広いコンディションへの対応を可能としました。
低く抜群に良いピンアクションがアピールポイント。メインボールで迷ったら是非、これを試してみてください。
今回のドリルレイアウト
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