絶対的な安定感と驚異のパフォーマンスで全世界を席巻したブランズウィックの代名詞とも謳われた名品「デンジャーゾーン」が、20年の時を経てヴィンテージシリーズとして登場したします!
90年代、ボウラーの間で圧倒的な所有率を誇り、数々の栄冠を手に入れたカバーストック「パワーコイル18」は、最新のケミカルテクノロジーと融合し「PK2016」として生まれ変わりました。
第65回
2016年3月21日更新
こんにちは。プロボウラーの
逸見正晃です。今回は遂に!伝説とも言うべきボールを取り上げることとなりました。
ブランズウィックが誇る名品「デンジャーゾーン」。
オリジナルのリリースから20年ほど経過した現在でも「Z」マークのインパクトは大きいものです。そして「ZONE」シリーズの中でもやはり一際輝いていたのはこのボールではなかったでしょうか。当時、他者に恐怖すら与えてしまうほどの圧倒的なパフォーマンスは2016年の現在ではどのように映るのでしょうか。
私自身「デンジャーゾーン」へ憧れの念を抱いていた1人であり、今回の「ヴィンテージ・デンジャーゾーン™」への期待は人一倍強かったように思います。漆黒のカラーボディにシンプルなロゴが絶妙なマッチングを魅せる「Z:ZONE」。
思い出とともに、今回のリリースを行った米国
ブランズウィック社に感謝を伝えたいほどです。時代を越えてボウラーを魅了しつづける業界でも希少な存在の今作をお楽しみください。
それでは、今月(2016年3月)2球目の投稿となります第65回
ストライクレビュー「ヴィンテージ・デンジャーゾーン™」編をどうぞ!
75°
×
3・3
/
4
×
53°・薬指穴内ピン配置
75°
×
3・1
/
2
×
40°
博多スターレーン(ウッドレーン)
44フィートのクラウンコンディション
30.4
ml
カストディアンプラス
42°
いつもより若干オイルの長さが長くなっています。
ブランズウィックと言えば、一世を風靡した「ZONE」はやはり外すわけにはいきません。発売当初の約20年前では、他では曲がらなくてもコレだけは曲がると言われていたほどに当時のボウリングボールでは抜きんでた存在が「ZONE」でした。
そして、数多くリリースされてきた同シリーズにおいても爆発的なセールスを記録し、数々のタイトルを手助けしてきたのがシリーズ一の人気者「デンジャーゾーン」というわけです。
今回、
LT-48™や
ヴィンテージ・ゴールドライノプロ™と同様のヴィンテージシリーズとしてのリリースで蘇ったのが「ヴィンテージ・デンジャーゾーン™」です。どうですか、ここまででも入手したくなってきませんか?
私がボウリングを始めたのが丁度20年前でしたので、当時は「他にボールが無いのか?」というほどの所有率が高く感じていました。それは、BOX内に「Z」マークボールしか置かれていない状況での投球も数多く経験したほどに。始めた頃、いつか「ZONE」を投げるのだという気持ちを持って、練習していた頃を懐かしく思い出させてくれました。
さて、今作はこれぞボウリングボールとも言うべきブラック単色カラーを見事に継承し独特のグリップしながら直進する様、キレの装いもあるバックエンドでの曲がり込み方は今風にリメイクされています。
カバーストックはどのコアとの相性も良いと非常に高い評価を得ていた「パワーコイル18」カバーを現在の
ブランズウィックが誇る最新素材と組み合わせ新たに作り上げた「PK2016」を採用いたしました。摩擦力、直進力、曲がりイメージ、そしてピンアクション。
この絶対的な要素を高いレベルで実現したことは「Z」時代からのファンは勿論ながら当時を知らない現在のボウラー方にも自信を持って紹介でき、是非とも
ブランズウィックの代名詞を体感していただきたいところです。
コアには通称「電球コア」の
「ヴィンテージ・ライトバルブ・低・RGコア」を使用したことからも如何に今作をオリジナルへ近いものに作り上げようとしているかが読み取れます。
この数年でも「ZONE」は発売してきましたが、今作が最も「らしく」完成しているように思います。抜群の転がり感とレーンを突き進む感覚は爽快で、バックエンドでしっかりレーンキャッチしている際のピン飛びは強烈です。
ミディアムコンディションベースに製造されていることもあり、オイル上で強引に曲がるようなパフォーマンスはありませんが、高水準で提供される安定感と適合時の爆発力はやっぱり「コレ」だよ!と気持ちを高ぶらせるほどのインパクトがあります。
投球したイメージも、オイルのキワを辿っても回転を維持し、山から谷へオイルエリアを進んでもしっかり戻り素晴らしいアクションを起こしてくれるので安心して握ることができる強さを備えているように感じました。
過激なリアクションというよりもコントロールしやすいバックエンドリアクションと、終わらない持続性のある動きが正しく「ヴィンテージ・デンジャーゾーン™」の特徴で、手前もクリアにスキッドしてくれるので男女・年齢問わず多くのプレイヤーにお勧めできる仕様でしょう。
得意なコンディションが絞られたボールは多数ありますが、苦手なコンディションが少ないボールは比較的少なく思います。この「ヴィンテージ・デンジャーゾーン™」はいわゆる万人向けのメインボールとして注目していただければ幸いです。
今作の表面番手は#500
マイクロパッド→
ロイヤルコンパウンド仕上げです。
レーンキャッチ力とスキッド力のバランスを取る為に丁度良い仕上げ具合かと思いますが、私は#1000
マイクロパッド→
ポリッシュに研磨して使用しています。箱出よりも少し走りが欲しかったので調節した状況です。
ドリルレイアウトは
「75°×
3・3/
4×
53°」で、ピン
-
PAP間を最大フレアに近くドリルしました。
レーン上での転がり感を強く求めたからですが、昨今のマスバイアス搭載のコアに比べて傾き方は緩やかですので、最近のチャートより多少短めにレイアウトしたくらいがしっかりパフォーマンスしてくれるように思います。
今回、比較投球には比重違いの「デンジャーゾーンコア」を採用し、近いコンセプト品と思われる
ファントム・リブート™を選択いたしました。
全体的に
ファントム・リブート™の強化版という感覚を私は持っているので、使い道も多少似ているのですが、より早い転がりとレーンキャッチ力を生み出しているのが「ヴィンテージ・デンジャーゾーン™」で、比較で長くスキッドしバックエンドにてコンパクトにフックするのが
ファントム・リブート™と捉えています。
キャリーダウンに影響を受けていた部分が、今作では軽減できておりピンヒットしてからも曲がろうとする強さは「ヴィンテージ・デンジャーゾーン™」のポイントになっています。ミディアムドライから使用に適している
ファントム・リブート™に対し、
ミディアム
→
ミディアムオイリーを対応してくれる為、曲がりをもう一つ欲しかったという方は入手いただき双方を使い分けることも良い選択ではないでしょうか。
先月から今月にかけて立て続けに主戦力級がリリースされていることもあり、ボウラーの皆様にとって色々と悩ましいことと推測いたします。ボウリングのことならサンブリッジ。ますますのご注目を宜しくお願いいたします。
それでは、また次回の
レビュー(
アルティメット・ニルバーナ™予定)でお会いしましょう!
執筆後記
一時代を築いたあの「ZONE」が「ヴィンテージ」シリーズとして復活です!現代のテクノロジーとオリジナルの良さを絶妙に組み合わせて誕生した「ヴィンテージ・デンジャーゾーン™」に死角はありません。
ボウリングボール界の伝説とも言われたボールが進化を遂げ、絶対的な自信を持ってリリースいたします。お勧めです!
今回のドリルレイアウト
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